泊まれる公園INN THE PARK その2 焚き火の魅力

泊まれる公園INN THE PARKの特徴的なサービスが「焚き火」です。なだらかに傾斜する屋外に、薪が組まれたスチール製の台と椅子が用意され、着火するとすぐに楽しめるようになっていました。興味深いのは、風を手動で送る装置の「ふいご」を宿泊客が自ら使う点です。「ふいご」を使うのが初めての息子でも、スタッフに教えられたとおり、薪の底に向かって風を送るたびに、ボーッボーッと音を立てて簡単に炎を大きくすることができました。

「焚き火」は、なぜか飽きることがありません。バチッバチッと薪のはぜる音を聞きながら、ゆらめく炎をただ見つめるだけなのですが、炎を眺めていると、不思議に会話が弾んでいきます。視覚や聴覚だけでなく嗅覚も刺激され、心は癒やされ、創造力をかき立てさせる力を持っています。普段ならば、すぐにyoutubeを見始める息子でも、この時ばかりは焚き火に集中していました。

現代は、いささか火を遠ざけすぎている気がします。都会では焚き火は御法度となっていて、子どもたちの多くはマッチで火をつけることすら知りません。焚き火は今や、滅多に体験することのできない貴重な体験です。そこに目をつけ、「ここでしかできない体験=焚き火」を、お金をかけずに付加価値サービスとして提供するスタッフの企画力に脱帽しました。

火祭りに象徴されるように、火には浄化の力もあるといいます。コロナ禍の世の中に、清めと癒やしを与え、新たな発想を育む火との向き合い方を改めて考えてみたいと思いました。

関連記事

  1. 目隠しルーバー
PAGE TOP