手を動かしながら考える

頭の中で考える速度は、手を動かす速度とあまり変わらないのではないか?
あれこれと検討を重ねるというプロセスは、鉛筆を持ってスケッチを描いたり、
手で模型を作ったりする速度と相性が良いのではと、最近感じています。

近年、建築設計の世界でもCADやBIMが当たり前となっていて、コンピューター画面上で
建物の平面や外観を考えることが多くなりました。
昔、美濃紙やトレーシングペーパーに鉛筆で描いていた頃と比べると、
図面の描くスピードや修正の速度は驚くべきほど早くなったと言えるでしょう。

しかしながら、CADやBIMによって製図の作業こそ早くなったものの、
私たちの頭の処理速度は、そんなに進歩していないのが現実です。
結局、CADで描いた図面を印刷しては、ああでも無いこうでも無いと試行錯誤するのです。

模型をのぞき込んだり、ひっくり返したりしながら、
外観デザインを検討するため、久しぶりに模型とじっくり対峙しています。
建築家の村野藤吾も、93歳で模型を枕元に置きながら設計していたそうです。
「手を動かしながら考える」こういう時間を大切にしたいと思います。

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