津波に強い家

「津波に強い家を作って欲しい」という特殊な要望から始まった住宅です。
設計依頼のあった場所は、藤沢市の海岸から200mという立地でした。
実際に、市のハザードマップを見ると、災害時には1~2mの浸水の危険性がある地域でした。

近年、台風や局地的な大雨が多発していて、大雨対策には特に気を配るようになってきています。
しかし、「津波に強い家」という設計条件は初めてで、
建築基準法にも津波に対する横荷重の設定など存在しないため、試行錯誤の連続でした。
幸い、地盤は良好で地下4mには堅固な岩盤層があるということから、
構造専門家と協議して、頑丈な鉄筋コンクリート構造の高床式2階建てを設計することとなりました。

設計のポイントは2つです。
一つ目は、津波が来たときにすぐに屋上に避難できるよう避難階段を設けたことです。
これにより、もし庭先に居たとしても階段を駆け上がれば、助かります。
もう一つは、ライフラインとなる大事な設備機器をすべて上に設置したことです。
電気室は2階に設け、給湯器や室外機も、浸水想定高さよりも高く設置する予定です。

実際には、来るかどうか分からない大災害ですが、建築設計という作業は
想像を最大限に働かせてリスク防止を図るという仕事でもあります。
「想定外だったから」という言い訳で済まさないよう、津波の他にも
大地震や局地的な豪雨、地盤の液状化など、様々な災害を想定して設計しています。

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