一歩入って広がるのは、広い緑の広場と周辺にぽつぽつと建つ瓦屋根の建物群でした。
犬を連れて散歩する親子や、広場でピクニックをしている家族などがたくさんいて、道の駅というより公園に来た印象でした。
群馬県北部の自然豊かな環境に広がる川場田園プラザは、全国でも人気の高い道の駅です。
地元の新鮮野菜、果物が買えるファーマーズマーケットや、地元の食材を使ったレストラン、パン屋さん、ソーセージ工房、麦酒工房、カフェや日帰り温泉などから構成され、お年寄りから子供まで楽しめる施設です。
かなり田舎に位置しているのに、なぜ、そんなに人が集まるのだろうという疑問と興味から、遠出したついでに立ち寄りました。訪れたのは夏休み中の土曜日でしたが、7つもある駐車場はほぼ満杯。群馬県の北部の利便性の悪さから考えると、その来場者の多さは驚異的です。
調べてみると、構想には造園家・環境デザイナーの三田育雄さんが加わり、他の道の駅にはないような田園環境の中でゆっくり滞留できる空間つくりを目指したようです。
それぞれ規模の小さな店舗が、広場を囲むようにゆったりと点在しているのが特徴です。
まるで一つの集落のような景観といった方がイメージしやすいかもしれません。
写真は、建築家の宮崎浩さん設計の川場ルーフ。地元産杉材をハイブリッド構造で使用した軽快で美しい休憩施設です。
観光客だけでなく、地元のサッカー帰りの親子や犬の散歩がてらに立ち寄った人たちが多いのが印象に残りました。
格別に美味しいソフトクリームやソーセージなどに加え、そこに美しい景観と地元の農業が加わったことで、地域の人々もリピートする施設ができ上がったのでした。
地方でも、工夫次第で人が大勢集まる施設がつくれるということを実感しました。