一年目検査が教えてくれたコト

竣工1年後の最上階

 竣工後、1年経過した集合住宅の一年目検査を行いました。私たちは自主的に、施工者と一緒にアフターサービスの一環として一年目検査を行っています。検査を通して、一年経過した後の、不具合等を修理・調整することとしています。

 1年ほど生活していると、何かしら気になるところが出てくるものです。建具がうまく閉まらなかったり、ビニルクロスの隙間が気になったり等々。そうした小さな不具合は、たいてい1年以内に修理や対応をしておけば、その後ほとんど大きなクレームにはなりません。また、竣工後の住まい方を観察することは、我々の設計へのフィードバックにも役立ちます。

 この日、お邪魔したM邸は、とてもきれいに使われていて、まるで新築同然の様子でした。エレベーターにはまだ養生用のボードまで残してあり、大事に使っている様子がひしひしと伝わってきました。不具合といっても収納の丁番が緩んでいたくらいでした。

 ただひとつ、ヒヤッとした事がありました。さほど大きく設計していなかった駐車場に、車がシャッターすれすれの状況で停まっているではありませんか。余裕は前後それぞれ15㎝ほどしかありません。建て主さんが大きな車は絶対に購入しない、と言っていたのに、同居する息子さんが予想外に大きな車を購入していたためでした。

  長い年月使われる住宅を設計するときには、建て主さんの提示する条件だけではなく、将来、所有者が変わることも念頭に置かなければなりません。自動車のサイズが変わるかもしれないし、家族構成も変化するかもしれません。長寿命の建築をつくるには、丈夫な構造体だけで無く、平面的な寸法の余裕や、高さ寸法の余裕が大事だと、遠い昔、長寿命建築の国イタリアで学んだことを思い出しました。設計の基本を思い出させる検査でした。

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