鹿児島の山奥に残るシェルター建築

鹿児島県の南端の山奥を行くと、忽然とドーム状のコンクリートの塊が姿を現しました。
建築家の池辺陽が建てた「シェルター」です。
案内してくれた鹿児島大学の鰺坂教授によると、このシェルター建築は、
合理的な近代建築の構法を具現化したという意味で重要な建築だそうです。

建築家の池辺陽と言えば、「立体最小限住宅」の建築家というイメージしかありません。
豊かな居住空間を持つ、四角い合理的な設計を推奨した建築家です。
しかしもう一つの顔として、彼は、東京大学宇宙航空研究所の研究員として、鹿児島に
ロケットの発射装置や格納庫など、独特な工業化建築を設計していたのでした。
シェルター建築は、その研究所(現在はJAXA内之浦宇宙空間観測所)のそばに建てられました。

内外の仕上げは、肉厚は20センチ以上あると思われるコンクリート打ち放しで、
多少の汚れはあるものの、内部はとてもきれいな状態で残されていました。
1963年に建てられたとは言え、トイレや流しといった水まわりもあり、
電気も通じており、きちんと生活ができるようになっています。
ドーム状の屋根頂部の換気口から、一部、雨漏りがある他は問題ありません。
この建物を生かすのは、使い手の発想次第でしょうか。

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